「離婚」って何?【その9】

テーマは「離婚」で,「面会交流(面接交渉)」のお話をします。

面会交流(面接交渉)とは,離婚後または別居中に,子どもと一緒に暮らしていない親が子どもと面会することをいいます。

面会交流については,①親である以上子どもに会いたいと思うのは自然なことであり,そうした観点からは,親の権利(面会交流権)として捉えられます。他方で,②子どもにとっては,両方の親との交流がきちんとできることで,いずれの親からも愛されていると感じ,そのため両親の離婚や別居というつらい出来事から立ち直り,心身ともに健やかに成長できると考えられています。

面会交流は,このように②子どもの幸せ(子の福祉)を確保するための環境整備といった側面があり,むしろこの側面が重視されるべきかと思われます。

面会交流の具体的な内容(いつ,どれくらいの頻度で,どこで行うか等)や方法(送り迎えはどうするか等)については,基本的には夫婦の話し合いで決められることになります。もっとも,夫婦2人での話し合いでは折り合いがつかない,ということもあるでしょう。また,話し合いで取り決められた面会交流が始まった後に,子どもに会わせてもらえなくなった…ということも全くないとは限りません。

そういった場合に有効な方法としては,家庭裁判所に面会交流(子どもの監護に関する処分)の調停を申し立てることで,話し合い自体を裁判所で行うことが考えられます。

調停では,子どもと一緒に暮らしていない親が子どもと面会等を行うことについて,面会に応じるか,その場合にその日時,場所などといった具体的な内容や方法について,調停委員を交えてお互いの考えを述べることになります。その際には,「子どもの心身ともに健やかな成長のために何が必要か」という観点が重視されます。具体的には,子どもの年齢,性別,性格,就学の有無,生活のリズム,生活環境等を考えて,子どもに負担を与えないよう十分配慮した取決めができるよう,話し合いが進められることになります。

調停の中で,話し合いをよりスムーズかつ適切に進める必要があると考えられる場合や,子どもの気持ちを確認したい等の場合には,家庭裁判所から派遣される調査官が対応することがあります。調査官は,調停に参加したり,子どもと面接してその心身の状態を把握したり,その気持ちを聞いたりして,必要に応じて意見を述べます。

こうした調停での話し合いの結果,面会交流の取決めができればよいのですが,仮に話し合いがまとまらなかった場合は,調停は不成立となります。その場合には,自動的に審判手続が開始し,裁判官が(調停での話し合いの結果を含む)一切の事情を考慮した上で,面会交流を認めるか,認める場合の具体的な内容や方法について,審判をすることになります。

このように,面会交流の方法を調停や審判で取り決めた約束を相手方が守ってくれない場合の方法として,以下のものが考えられます。

A 家庭裁判所の調停や審判で決めた面会交流の約束に違反があったときは,「履行勧告」といって,家庭裁判所から約束を守るよう相手方に指導してもらうことができます。裁判所からの指導なので,相手方にとっては相当なプレッシャーになると考えられます。

B 次に,調停や審判の取決めの内容にもよりますが,裁判所に申立てをすることにより,取り決めた面会を1回拒むごとに金○万円の支払いを命じる形で,間接的に面会交流を強制することができる場合があります。これを「間接強制」といいます(もっとも面会交流それ自体を強制的に行わせることはできないと考えられています。)。

もっとも,先ほどお話ししたように,面会交流は,子どもの幸せ(子の福祉を確保するための環境整備といった側面がありますので,お互いにまずは子どもの幸せを一番に考え,話し合い等により取決めをし,取り決めた内容についてはお互いその実現に協力し合う姿勢が,大切なのだと思います。

以 上


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